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イメージと違う応募者を減らすために考えること

 「やった!応募だ!」と思ってドキドキワクワクしながら応募者の対応をしても、電話連絡の時点で「この人はちょっと合わないかな・・・」とか、せっかく面接をしても「この人は求人広告の何を見て応募してきたんだろう?」と首をかしげたくなるような場面はありませんか?

 それには応募の入り口である「求人広告」に原因があるかも知れません。今回は求人広告に対する反響をもとに、求人内容を見直す際に考えるポイントをまとめてみます。

 実務でお忙しい中、片手間でも広告を運用していく際のチェックポイントだけお伝えできれば幸いです。


求人タイトルは「欲しい人材」を指していますか?

 みなさまは求人情報を公開する際、どのようにタイトルを考えていますか?職種名だけを記載すればいいと思っていませんか?

 いわば求人情報の「顔」とも言える求人タイトルは、応募の数ならびに質を左右する非常に重要な要素の一つです。もちろん業務内容、勤務地、給与といった必要最低限の項目は求人情報の中に記載しておかなければなりませんが、その「入り口」となる求人タイトルは、応募の状況に合わせて適宜見直したいところです。

 入り口を広げたり狭くしたり・・・といったところに注目して、応募をある程度コントロールすることができます。

業務内容が求人タイトルに反映されていますか?

 「ピッキング作業員」を募集するケースを想定してみましょう。たいていの場合は業務内容の中に扱う製品や商品の種類、大きさ、重さなどを記載されていることが多いと思います(今回は、重量物を扱う作業だと仮定します)。それを、タイトルにも反映させてみましょう。 これは、求職者が求人内容を閲覧する前段階で、雇用主が求職者をあらかじめ選別するためです。無駄に繋がりやすい応募は事前に防ぐことができるという観点です。

 たとえば、「【重量物あり】ピッキング作業員」と見直したとします。または具体的に扱うものを記載しても良いでしょう。「○○製品のピッキング」といった具合です。これをやっておくことで、たとえば衣料品や小物雑貨などのピッキング作業を想定した求職者の応募を減らすことができます。

応募の数を増やしたいですか?不採用の数を減らしたいですか?

 せっかくの求人広告費や応募はムダにしたくないので、ネガティブに感じられそうな情報は隠したくなるものですよね。しかしながらあくまでも求人の目的は「採用」と「定着」、そして「活躍」ではないでしょうか。反響が多いのは嬉しいことですが、反面、不採用の数も増えたり、面接日時の調整でうまく連絡が取れず振り回されることも多くなります。できれば、「採用に繋がりやすい応募の数」を増やしていきたいものです。

 そのためには、たとえば面接で、必ず全員に「重量物ありますけど大丈夫ですか?」と聞いて「大丈夫です!」とか「それなら遠慮しときます」といった感じで実際に行われているやり取りが、とても重要な情報となります。また電話で応募者からよく聞かれる内容なども、事前に記しておきましょう。その質問が雇用主にとって、採用できる・出来ないの判断基準になっている可能性が高いです。

 それらを求人タイトルに反映することで、少なくともイメージと違う応募者が応募へ進む確率は減らせるのではないでしょうか。また、仕事内容をリアルに書けば書くほど、応募の数は減る傾向にありますが、それでも応募してくる人は意欲が高く、随分と面接が楽に感じることがあります。

求人広告の反響情報を記録し広告担当者に伝えましょう

 今回は、「イメージと違う応募を減らすために、求人タイトルに注意しましょう」というお話をしました。また実務の上でも、応募者を対応される中で比較的運用をしやすい項目かと思い取り上げました。

 それらを検討する上で、応募者の「生の声」は雇用主の「採りたい人物像」を明確にするためにとても役立つ情報です。ハローワークをはじめ自社サイトなど、社内のご担当者様で求人原稿を作成される場合にはそういった情報を活かしながら柔軟にアップデートし、会社と応募者のマッチング精度を高めていきましょう。採用マーケティングへの第一歩です。

 有料媒体などを利用される場合にも是非ともそういった感性で、注文を出してみてください。媒体や掲載プランの選定にも役立ちますので、費用対効果が改善するはずです。