· 

応募が来ない原因は「求人媒体選び」にあり?

 たいていの場合、採用担当として採用業務に関わろうとすると、1職種に限らずいくつかの求人を募集することが多いのではないでしょうか?よくあるケースは、「事務員さん」+「作業員さん」や「営業員さん」といった組み合わせかと思います。でもなかなか、「欲しい案件」に限って応募がないということもありますよね。

 今回は求人広告の掲載先にいくつも選択肢がある中で、自分が担当する求人に合った適切な媒体の選び方についてチェックポイントを挙げてみたいと思います。


求人媒体に求めるものは?

 「欠員補充しないと現場が回らないから、すぐに採用したい(知名度がある媒体がいい)」

 「採用はしたいけど費用は抑えたいから、掲載費の安い媒体がいい」

 「より多くの人に見てもらいたいから、長い期間掲載できる媒体がいい」

色々なシチュエーションが想定されますね。各社様々な掲載プランや料金プランを用意していますから、どの媒体に掲載するか、とても迷ってしまいます。

 でもちょっと待ってください。肝心な視点が抜けていませんか?

どんな人を採用したいか?

 わかりやすい例でいえば、「何かの資格を持った人」だったり、「将来を見据えて若い人」などでしょうか。こういう事柄がハッキリすると、媒体選びにも方向感が出ますね。

 前者なら業界特化型の求人サイト、後者であれば会員登録者の分布資料などを各媒体社から取り寄せて若い人が多いサイトを判断すればいい訳です。

 多くの場合はこの辺りの事柄から考えて、他は費用面などを総合的に判断して掲載する媒体を決定するのではないでしょうか。あとは応募を待つのみです。

理想の人材が応募してくるか?

 ここまで随分アッサリと書いてしまいました。これで無事採用できて、その人が定着し活躍すれば大成功です。しかしなかなか、短期間で成果を出すのは難しいものです。ここで一番やってはいけないことは、せっかくの求人広告費や応募はムダにしたくないので、少々イメージと違う人が応募してきても「ま、いっか」で採用してしまうことです(もちろん現場状況等に応じて「やむなく」ということはありますが、余程困った時だけにしましょう)。

 そして次にやってはいけないことが、応募が無かったからと言って「同じ求人内容で媒体やプランだけ変えて募集を継続する」ことです。ここに、「求人媒体選び」に集中してしまうと落とし穴が待っている理由があります。

定着する人財が自社に求めそうなものは何か?

 少し回りくどい表現ですが、要するに、その会社で働く人の”動機”です。これをハッキリさせないまま求人媒体各社のデータを比較ばかりしていると、採用活動の目的を見失います。求人情報を「どこに載せるか」考える時間があったら、「どう載せるか」を考える時間に充てなければなりません。それがハッキリして初めて、”応募のきっかけ、動機”を与えることができます。その結果、知名度のある媒体は効果を発揮し、必要以上に広告掲載費用を消費せず、長期間掲載できればなおのことチャンスは拡大するというものです。

 いま、働いている人が何にやりがいを感じているか、これを明確にすることから始めましょう。そういった人がどの媒体を見る可能性が高いかを考えるこれが極めて重要です。応募をたくさん集めてから人選、ではなく、活躍できる人材から情報発信の方法を逆算していきましょう。間違っても、応募が来づらい案件に、より投資をしてしまうようなことは避けてください。かえって、応募が期待できる層の視界から遠ざかってしまいます。

 とはいえ、なかなか自社の求人を客観的に見るのもなかなか難しいもの。そういった時は、「求人媒体」を選ぶのではなく、呼び掛けるべき求職者層を共に考えてくれる担当者、「求人広告のプロ」を選びたいものです。